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米楽器・音響機器メーカーのギブソン・ホールディングスグループは29日、ティアック<6803.T>株を1株31円で公開買い付け(TOB)すると発表した。
ティアックの筆頭株主で投資ファンドのフェニックス・キャピタルとそのファンドから1億5744万株(54.61%)を買い付けるもので、買収額は48億8250万円。ティアックの上場は維持する。
ティアックは、短期的な投資回収を目的としない安定株主に代わることで、長期的な事業運営が可能になるほか、ギターメーカーとして有名なギブソンとの事業シナジーが見込めるとしてTOBに賛同している。
買い付け期間は4月1日から4月30日。TOBの上限は1億5750万株・保有割合54.62%。買付価格は3月28日までの過去1カ月の終値平均に対し約45%、過去6カ月の終値平均に対し約24%のディスカウント。
ティアックによると、ギブソンのフィナンシャル・アドバイザーはマッコーリーキャピタル証券とKPMG。ティアックのリーガル・アドバイザーはシティユーワ法律事務所。
東京ガス<9531.T>は29日(米28日)、米テキサス州におけるシェールガス開発事業の権益に関する売買契約を締結したと発表した。
米国でシェールガス開発事業の権益を取得するのは初めてとなる。
東京ガスは、クイックシルバー・リソーシズ社(QRI)との間で、米テキサス州バーネット堆積盆の開発事業の権益の25%を4億8500万ドルで取得する契約を結んだ。
QRIがオペレーターとしてシェールガスを開発・生産する事業で、販売先は米国内の市場。
この事業による東京ガスの米現地法人が握るガス生産量は、LNG換算で年間約35─50万トンの見込み。
米株式市場のS&P総合500種指数<.SPX>は28日、終値ベースで1569.19に上昇し、2007年10月9日以来の最高値更新となった。
同指数は07年に過去最高値を更新した後に56.5%下落し、09年3月9日に終値で676.53の安値をつけた。
以降、同指数は倍以上に上昇している。
(28日 ロイター記事)
◆S&P総合500種上昇局面におけるセクター別の騰落率(%)
セクター |
09年3月9日の安値からの変化率 |
07年10月9日の高値からの変化率 |
生活必需品<.SPLRCS> |
+105.4 |
+41.3 |
一般消費財<.SPLRCD> |
+234.3 |
+40.4 |
ヘルスケア<.SPXHC> |
+110.6 |
+26.6 |
テクノロジー<.SPLRCT> |
+142.1 |
+13.9 |
エネルギー<.SPNY> |
+87.8 |
+0.01 |
工業<.SPLRCI> |
+172.4 |
-5.1 |
公益<.SPLRCU> |
+74.6 |
-5.5 |
素材<.SPLRCM> |
+127.5 |
-8.0 |
通信<.SPLRCL> |
+79.4 |
-11.6 |
金融<.SPSY> |
+193 |
-49.1 |
3月の米ミシガン大消費者信頼感、過去最大の大幅上方改定
ロイター/ミシガン大学が29日発表した3月の米消費者信頼感指数(確報値)は78.6と、3月半ばに公表された速報値の71.8から大きく上方修正され、上方改定の幅としては過去最大となった。
懸念されていた歳出の強制削減による影響は見られず、消費者の雇用回復期待が高まっていることが示された。
指数は2月の77.6から上昇するとともに、エコノミスト予想の72.5も上回った。
調査を担当したリチャード・カーティン氏は声明で、信頼感は3月後半に、前半の落ち込みを補って余りあるほど大きく改善したと指摘。
「消費者は、歳出の強制削減が発動されれば経済に甚大な影響が及ぶとの政府の警告は気に留めず、年内いっぱい雇用の伸びが加速するとの見方をあらためて強めた」とし、これが信頼感を押し上げたと分析した。
その上で「この3月後半のような改善が今後数カ月続けば、ついに失業率を著しく押し下げるほど、景気回復の勢いが増すかもしれない」と語った。
また住宅価格が最近上昇したと回答した住宅保有者の割合がおよそ5年ぶりの高水準となったほか、価格上昇を見込む住宅保有者の割合は、2007年3月の調査以降で最大となった。
景気現況指数は前月の89.0から90.7に上昇し、2008年1月以来の高水準となった。市場予想の87.8も上回った。
消費者期待指数も70.8と、速報値の61.7から大幅な上方改定となった。2月の70.2から上昇するとともに、エコノミスト予想の62.0も上回った。
1年インフレ期待は前月の3.3%から3.2%に低下。5─10年インフレ見通しは2.8%で、前月の3.0%から低下した。
(ニューヨーク 29日 ロイター記事)
2月の米個人消費は伸び拡大、個人所得も増加に転じる
米商務省が29日発表した2月の個人所得・支出統計によると、個人消費支出の伸びが前月から加速し、個人所得も増加に転じるなど、米経済が勢いを増していることをあらためて裏付ける結果となった。
個人消費は前月比0.7%増と1月の0.4%増(0.2%増から上方修正)からペースが加速し、エコノミスト予想の0.6%増も上回った。
インフレ調整後の実質ベースでは0.3%増と前月と同じ伸び率となった。
ガソリン価格の上昇が個人消費増加の一因だが、所得増を背景に自動車など耐久財の購入が増えたほか、サービスへの支出も拡大した。
2月の個人所得は前月比1.1%増と、前月の3.7%減から増加に転じた。
BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リエン氏は「(個人消費と所得は)いずれも回復が続く米経済と一致する結果だった」との見方を示した。
商務省によると、2月のインフレと税金調整後の可処分所得は0.7%増加した。1月は4.0%減だった。
所得が消費の拡大ペースを上回ったため、個人貯蓄率は2.6%と前月の2.2%から上昇した。
過去2カ月間横ばいとなっていた個人消費支出(PCE)価格指数は、ガソリン価格の上昇を受けて前月比0.4%上昇。伸び率は昨年8月以来の大きさとなった。
ただ食品とエネルギーを除いたコアPCEの伸びは0.1%にとどまり、基調的なインフレ圧力が抑制されていることが示された。
またコアPCEの前年比の上昇率は1.3%と米連邦準備理事会(FRB)が目標とする2%を下回り、FRBに量的緩和による景気刺激策を続ける余地があることを示す形となった。
米株市場は上昇、S&P総合500種が終値ベースの過去最高値
28日の米国株式市場は上昇し、S&P総合500種が終値ベースの過去最高値をつけた。ダウ工業株30種も最高値を更新した。
ダウ工業株30種<.DJI>の終値は52.38ドル(0.36%)高の1万4578.54ドル。一時1万4585.10ドルまで上昇し、日中取引ベースでも過去最高値をつけた。
ナスダック総合指数<.IXIC>は11.00ポイント(0.34%)高の3267.52。
S&P総合500種<.SPX>は6.34ポイント(0.41%)高の1569.19。これまでの終値ベースの過去最高値は2007年10月9日に記録した1565.15だった。
29日はグッドフライデーで米国市場は休場となる。
週足ではダウが0.4%、S&P総合500種が0.8%、ナスダックが0.6%それぞれ上昇した。
月間ベースではダウが3.7%、S&P総合500種が3.6%、ナスダックが3.4%上昇。S&P総合500種は5カ月連続で上昇した。
第1四半期全体の上昇率はダウが11.3%、S&P総合500種は10%、ナスダックが8.2%となった。
キー・プライベート・バンクの首席投資ストラテジスト、ブルース・マケイン氏は、今四半期は昨年の多くの懸念事項が後退し、きょうの最高値更新はその最後にふさわしいとしたうえで「まだ完全に終わっていない問題に対して、投資家はこれからより現実的な見方をする可能性がある。ある程度慎重になった方がいいだろう」と指摘。数カ月後のキプロス情勢はまだ分からないと述べた。
ブラックベリー<BBRY.O>は0.8%安。新機種「Z10」の需要好調で、この日発表した第4四半期決算が予想外の増益となった。
天然ガス大手の米チェサピーク・エナジー<CHK.N>は0.6%安。関係筋によると、4月1日付で辞任するオーブリー・マクレンドン最高経営責任者(CEO)の後任が同日までに決まらない公算が大きい。
JPモルガン・チェース<JPM.N>は0.6%安。カリフォルニアの年金基金オペレーティング・エンジニアズ・ペンショントラストが破たん前のリーマン・ブラザーズへの投資は誤った資金運用だったとして2009年にJPモルガンを提訴した問題で、マンハッタン地方裁判所の判事は27日、訴えを棄却するよう求めていたJPモルガンの要求を退けた。
メトロPCS<PCS.N>は3.5%高。同社の株主は、ドイツ・テレコム<DTEGn.DE>傘下のTモバイルとメトロPCSの合併を阻止するため28日、マンハッタン連邦地裁に提訴した。ドイツ・テレコムは2社の合併を目指し、メトロPCS株主の支持固めを急いでいた。
ニューヨーク証券取引所、アメリカン証券取引所、ナスダックの3市場の出来高は約 58億株と、今年の1日平均の約64億株を下回った。
騰落銘柄比率は、ニューヨーク証券取引所が約8対5。ナスダックは約14対11となった。
ロンドン株式市場は反発、投資家心理改善で過去2度目の10カ月連続高
28日のロンドン株式市場は反発、過去2度目の10カ月連続上昇で今月の取引を終えた。キプロス支援をめぐる投資家心理の改善が追い風となった。
FT100種総合株価指数<.FTSE>は24.18ポイント(0.38%)高の6411.74。第1四半期は8.7%高、今月は0.8%上昇、1996─97年以来2度目の10カ月連続上昇を達成した。
ロンドン市場は29日、祝日のため休場する。
ディフェンシブ銘柄が上昇を主導、生活必需品銘柄は指数を9.4ポイント押し上げた。
製糖のテート・アンド・ライル<TATE.L>は3%高で上げが目立った。パンミュアが投資判断を「ホールド」から「バイ」に引き上げるなど、前向きなアナリストの評価を好感した。
ホテル経営世界最大手のインターコンチネンタル・ホテルズ<IHG.L>も2.8%上昇、カタールの支援を受けた投資団体にロンドンの高級ホテルを売却したことを材料視した。
銀行株も0.6%高、金融株はFT100種総合指数を7ポイント押し上げた。
欧州株式市場=反発、平穏なキプロス銀の営業再開などを好感
28日の欧州株式市場は反発。中銀の支援が引き続きユーロ圏の安定に対する懸念を緩和するなか、買収の話が出ているコーヒー・紅茶事業を手掛けるD.E.マスター・ブレンダーズ<DEMB.AS>が上げを主導した。
キプロスの銀行が比較的平穏に営業を再開したことも追い風となった。
FTSEユーロファースト300種指数<.FTEU3>は4.86ポイント(0.41%)高の1188.92。
ユーロSTOXX600種指数は0.5%高の293.78。
両指数とも今月も上げて取引を終了、10カ月連続で上昇した。
DJユーロSTOXX50種指数<.STOXX50E>は11.56ポイント(0.44%)高の2624.02。
銀行株がキプロスをめぐる安心感で上昇したが、相場は数年来の高水準にあることから、上昇ムードにかげりも見え始めている。
D.E.マスター・ブレンダーズは25%高で上げが目立った。主要株主から64億ユーロ(81億8000万ドル)相当の買収提案を受けたと明らかにしたことで買われた。
欧州株は上昇したが、キプロス支援が投資家の慎重姿勢を高めてもいる。
クレディ・スイスはメモで「キプロス支援の詳細と実行がともに、ユーロ圏の経済安定化の一時的な兆しに対する下押しリスクとなっている」と指摘した。
午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べてややドル安/円高の94円前半。午後は、イースター休暇で市場参加者が減少するなか停滞した。
午前、日経平均が下げる場面では94円割れとなったものの、下落は一時的かつ浅いものにとどまった。ユーロは午後、欧州情勢への根強い警戒感から弱含んだ。
ドル/円は終日、おおむね94円前半の狭いレンジ内での推移を続けた。正午以降、午後3時までの値幅は上下わずか14銭にとどまった。
午前、日経平均<.N225>がマイナス圏に転落する場面ではドル/円にも下落圧力がかかり、仲値公示にかけて93.96円まで下げたが、下落は一時的だった。
イースター休暇入りに伴って市場参加者が減少するなか、午後は目立ったフローは出ず、停滞した。
新年度入りとなる来週は、国内外で重要イベントが相次ぐ。日本では、新体制下で初となる日銀金融政策決定会合が4月3、4日に開かれる。
米国では、3日に3月ADP全米雇用報告、5日に3月米雇用統計など重要経済指標の発表が目白押しとなる。
欧州では、4日に欧州中央銀行(ECB)理事会が開かれる。3日以降、日米欧で重要イベントが集中するため、市場参加者は「神経質な展開になりそうだ」(国内金融機関)と警戒している。
週明け1日には3月調査の日銀短観が公表されるが、市場の注目度は低い。「結果はどうあれ、日銀はデフレ脱却のために緩和するしかない」(外為アナリスト)として、公表後も目立った反応は出ないとの見方が多い。
イースター休暇で参加者が少ない状況が来週月曜までは続くとみられていることも、反応を鈍くさせる要因となりそうだ。
ユーロは、対円、対ドルともにもみ合いを続けていたが、午後3時にかけて小幅に下落した。
前日、イタリアでは連立政権樹立へ向けた協議が物別れに終わり、ナポリターノ大統領がきょう各政党と連立政権樹立に向け協議を再開する。前日の海外時間にはユーロはむしろ値を戻す格好となったが、市場では、欧州情勢の不安定化に伴うマーケットの混乱が再発することへの警戒感が根強い。
来週のECB理事会をめぐり、市場の一部では利下げ観測がくすぶっている。ただ、三井住友銀行の山下えつ子チーフ・エコノミストは、利下げの有無よりも会合後のドラギ総裁会見に注目している。
キプロス支援策の内容が苦境に陥った国の救済事例として汎用性を持つのか、それともキプロスの事例はあくまで特殊なのかという点について、踏み込んだ言及があるかがポイントだという。
今週冒頭25日には、キプロス支援策の合意を受けてユーロが急伸したものの、同日の海外市場では一転して下げ基調となった。
下落の背景には、ユーログループのダイセルブルーム議長が、キプロス支援のもとでの銀行リストラ計画について、ユーロ圏銀行危機の解決に向けた新たなモデルになる、とし、銀行部門を整理する必要のあるその他の国もリストラ実施に迫られる可能性があるとの考えを示したことがあった。
日経平均反発、買い戻しでも様子見ムード継続
東京株式市場で日経平均は反発。為替市場で対ユーロでの円高が一服し、先物主導の買い戻しなどに後場は上げ幅を拡大する場面もあったが上値は重かった。TOPIXは続落。
国内では週末・月末・期末にあたる中、海外では聖金曜日(グッドフライデー)休暇となることから手控えムードが広がった。
米国株式市場では主要指数が相次いで過去最高値を更新する一方で、東京株式市場ではやや勢いに欠ける展開となった。
前日の大幅下落の反動もあり朝方は買い先行となったものの、まとまった売り物に押されマイナス圏に沈む場面があった。電気・ガス業や非鉄金属がしっかり、不動産や金融株はさえなかった。
東京証券取引所がまとめた3月第3週(3月18日─3月22日)の3市場投資主体別売買内容調査によると、海外投資家が19週ぶりに売り越しに転じたことから、昨年11月からの良好な需給が後退したとの見方が広がった。北朝鮮でのロケット準備の報道も上値を抑える要因になったという。
昨年11月からの上げ相場は目先一休みとなっており「主力株はどちらかといえば上値が重くなり、期末で機関投資家も動きづらかった」(野村証券・エクイティ・マーケットアナリストの佐藤雅彦氏)という。
もっとも、為替動向などをにらみながら先物主導で買い戻しが優勢となり、後場は一時1万2425円まで上昇した。
市場では「昨日から出ていた国内外からの目先的な売りが午前で一巡し、ショートカバーが入った」(みずほ証券・シニアテクニカルアナリストの三浦豊氏)として、短期的な動きが指摘されていた。
2013年3月期末の日経平均<.N225>の終値は1万2397円91銭となり、前期末の2012年3月30日の終値1万0083円56銭から22.9%上昇した。2008年9月以来、4年半ぶりの高値水準。
個別銘柄では、三井金属鉱業<5706.T>が急伸。三菱UFJモルガン・スタンレー証券が28日付リポートで投資判断を「ニュートラル」から「アウトパフォーム」に、目標株価を190円から290円に引き上げたことが材料視された。
一方で、パナソニック<6752.T>が続落。28日に公表した2013―15年度の中期経営計画への厳しい見方が広がった。
東証1部騰落数は、値上がり443銘柄に対し、値下がりが1179銘柄、変わらずが88銘柄だった。
2月鉱工業生産は3カ月ぶり低下、基調判断は据え置き
経済産業省が29日発表した2月鉱工業生産指数速報(2005年=100、季節調整済み)は前月比0.1%低下の89.0となり、3カ月ぶりの低下となった。
ロイターの事前予測調査では前月比2.6%上昇と予想されていたが、発表数値は予想を下回った。
スマートフォン向け等の落ち込みから電子部品・デバイス工業が前月比5.0%の低下となったことがマイナスに大きく寄与した。
生産予測指数は3月が前月比1.0%上昇、4月が同0.6%の上昇となり、経済産業省は生産の基調判断を「下げ止まり、一部に持ち直しの動き」に据え置いた。鉱工業出荷指数は前月比0.8%上昇、在庫指数は2.0%低下だった。
<電子部品・デバイスがなければプラス、自動車など好調維持>
鉱工業生産は、円安傾向による先行き期待や海外経済の下げ止まり感、エコカー補助金終了の反動が終息したことなどを背景に、このところ持ち直しの動きが続いていた。
今回も、輸送機械工業が北米向けの自動車輸出好調などから3カ月連続の上昇を見せ、業種別でも上昇業種が16業種中10業種と、前月より増加した。
「電子部品・デバイス工業の落ち込みの寄与がマイナス0.4%程度あり、それがなければ、全体はプラスだった」(経済産業省)という。
上昇したのは輸送機械工業、一般機械工業、鉄鋼業などで、輸送機械工業と鉄鋼業は3カ月連続で上昇。
低下したのは電子部品・デバイス工業、精密機械工業、窯業・土石製品工業など。
電子部品・デバイス工業では携帯・スマホ向けの部材であるモス型半導体集積回路(メモリ)が前月比15.6%減、アクティブ型液晶素子(中・小型)が同11.8%減と2桁の減少となった。
中国でのスマホ向けの生産部材が主に減少した。電子部品・デバイス工業の2月の実現率はマイナス14.0%、3月の予測修正率もマイナス10.6%となった。
<1─3月はプラス1.7%、先行きの景気に不安も>
先行きの生産予測指数は3月、4月とも上昇の見通しとなり、1─3月は単純平均すると前期比プラス1.7%。実現すれば2012年1─3月期以来、4四半期ぶりのプラスとなる。
今回、全体を押し下げた電子部品・デバイス工業も3月は前月比0.7%増、4月は同1.6%増と緩やかながら回復していく見通しだ。ただ、市場では先行きを不安視する声も聞かれる。
岩井コスモ証券投資調査部エコノミストの田口はるみ氏は「自動車関連などは堅調だったが、電子部品が弱かった。コンピューターの在庫水準が高く、調整に時間がかかっているようだ。欧州などで需要が弱いほか、円安効果もまだ表れていない」と指摘する。
先行きに関しては「今年は米国の設備投資が強く、循環的に景気は上向くとみられ、年後半は需要回復と円安効果で生産も改善する」と予想している。
SMBC日興証券の債券ストラテジスト、岩下真理氏は「電子部品・デバイス工業は、かなり大幅増となった10─12月の反動減が見込まれていた以上に調整が大きく出ている」と分析。「持ち直すとみられていた景気に停滞感を感じている」とみている。
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